ご乗車いただき、誠にありがとうございます。
不定期連載「熊本市電 電停ぶらり旅」。
どこから乗っても、どこで降りても、1回の乗車で180円。線路でつながってさえいれば、180円(小学生は90円)でどこへでも行ける便利な乗り物。それが熊本市民から愛されている、熊本市電です。
今回降り立った電停はA系統[4]の「祇園橋」。
さて、祇園といえば京都の有名な繁華街の一つ。そんな祇園がなぜ電停の名前になっているんでしょうか。しかも「橋」。
答えはすぐ近くにあります。
電停から見た風景ですが、祇園橋はすでに見えています。
……。
見つかりましたか?
もう少し近づいてみましょう。
電停から歩道へ進み、横断歩道を渡ります。すると。
ありました、これが祇園橋です。
扇形の橋名板が情緒があり素敵ですよね。
橋から見た景色。
「祇園橋」は、坪井川にかかっている橋です。となりには大きな白川が流れています。
坪井川沿いは、侘び寂びを感じられるような、落ち着いた緑あふれる場所が多いように思います。今回は紹介できませんが、熊本城あたりまで坪井川沿いを散策してみるのもおすすめです。
先程の川の景色から反対側を見たところです。祇園橋には、片側2〜3車線の道路と歩道があります。熊本駅が近く交通量も多い場所です。
では、一度電停にもどり、道の反対側に行ってみます。
祇園橋方面に横断歩道を渡ります。
横断歩道を進むとすぐのところにある小さな公園「おてもやん永田いねパーク」。
「永田いね」は民謡「おてもやん」の作詞、作曲、振付をした人物です。パークには、おてもやんと永田いねにまつわる銅像があります。
また、すぐそばには、湧水も。
祇園さんの水。ただし、この水は飲めません。
祇園橋の近くには、祇園社・祇園宮と尊称されていた「北岡神社」や、「北岡自然公園」など散策スポットがあります。
色んなところを案内したいところですが、ちょっと一息つきましょう。このまま橋を渡って少し進みます。
この横断歩道を渡ると「北岡神社」ですが、右側へ。
しばらく進みます。途中路地を見上げると、高架線路を走る電車を見たり、花岡山の仏舎利塔を眺めたりすることができます。
電車から降りて歩いているからこそ、ゆっくりと風景を楽しめるのもぶらり旅の魅力です。
高架線の手前まで進んだら、右に曲がります。
少し進んで、橋を渡ったら左へ。
そのまま進むと。
到着しました。
目的地の「ギャラリー至福のひととき+甘味処」です。
ここは、美味しい日本茶と甘味などを楽しめるカフェ。店内には、木製品などの工芸品のギャラリーもあります。古都に迷い込んだかのようなお店の外観もたまりません。
おじゃましまーす。
入口すぐのところにあるギャラリーには、木のぬくもりを感じられる器や玩具、装飾品などがあります。
そしてカフェスペースへ。
カフェスペースには、テーブル席が3つと、カウンター席(窓向きのカウンターと壁向きのカウンターの2種類)、そして奥にベンチシート型の半個室もあります。
さらに。
実は外にも出ることができ、川沿いのテラス席もあります!
季節によってはテラス席でゆっくりするのもいいですよね。
メニューを広げると「お茶と甘味のセット」や「お昼ごはん」のお品書き。
お茶のページには、全国各地のお茶が記載されています。
どれを頼むか迷ってしまいますがご安心ください。店員さんが季節やあなたの好みから、おすすめを教えてくれます。
今回、伺った時期が夏でしたので、冷たいお茶のおすすめを頼みました。
熊本県球磨郡のお茶「相良茶」と「いきなり団子」のセットです。
お茶は一煎目と二煎目で味わいが違うそう。
まずは、氷の入ったグラスに注ぎ一煎目をアイスで頂きます。
お茶を飲んで驚いたのが、甘さ!
冷たく爽やかな口触りから、ふくよかなお茶の甘さが口いっぱいに広がります。
よく、体温に近いほど甘さを感じるため冷たいと甘さを感じにくい、というようなことを聞きますが、この相良茶は冷やしてもしっかりと甘さを感じられるから不思議です。
二煎目はどんな味わいになるんだろう。アイスを飲み終えたら、二煎目はホットで。
こちらもまた絶妙な甘さ、そしてほどよい渋み。
店員さんに伺ったところ、この相良茶は熊本県球磨郡相良村の「川上製茶」のお茶なんだそう。一煎目に冷たくする飲み方は2017年に「日本の宝物グランプリ世界大会」で最優秀賞を受賞された時の飲み方で、最初に甘さを感じ、二煎目は渋さと甘さのバランスの良いお茶の味を楽しむことができるそうです。
冷たいお茶でクールダウンし、そしてこの温かいお茶でホッと一息。
大満足でお店の外へ。
空を見上げると、清々しい青空が。
まさに、至福のひととき。
これからもう少しこの辺りを散策したいところですが、記事はここまで。ぜひあなたの足で「祇園橋」電停界隈を楽しんでください。普段降りない電停で降りてみると、色んな発見があるかもしれませんよ。
それでは、また次回お会いしましょう。
■ギャラリー至福のひととき+甘味処
住所:熊本市中央区小沢町91-2
営業時間:11:00~17:30(LO17:00)
休み:水曜日、木曜日
URL:https://www.shifuku-hitotoki.com
(文・写真:松本亮介)
同じテーマの記事
-
江津湖の楽しみ方: 自転車で水の都を堪能してみる。
2022.02.15
-
熊本城ライトアップ! 天守閣、石垣、紅葉が鮮やかに照らし出される幻想的な空間
2022.12.01
-
熊本の冬の風物詩「クリスマスマーケット熊本」。来場者への思いやりに満ちた、心あたたまるイベント
2022.12.12