2018(平成30)年にスタートし、今年5年目を迎える熊本の冬の人気イベント「クリスマスマーケット熊本」。今年も昨年に続き、熊本駅会場と花畑広場会場の2会場で開催中です【2会場とも12月25日(日)まで】。

会場には、毎年恒例の「竹あかり」イルミネーションや、熊本県産木材を使った屋台「ヒュッテ」が並ぶほか、今年初のコンテンツも続々登場! 実行委員会の坂口史乃さんに、イベントに込めた想いと、今年ならではの見どころを聞きました。

竹あかりや地産地消など、「熊本らしさ」にこだわった空間づくり

「クリスマスマーケット」とは、12月25 日のクリスマスに向けて、アドべントと呼ばれる4週間の準備期間に開催される、ドイツ生まれのイベントです。街の広場に置かれたクリスマスタワーの周りに、小さな木製の屋台「ヒュッテ」が並び、キャンドルやリースなどのクリスマスグッズのほか、料理やホットワイン、お菓子などが売られ、多くの人々でにぎわいます。

そんなクリスマスマーケットを熊本でも開催したい!と、2018(平成30)年に、6人の発起人が中心となって実行委員会を設立。市民有志約100名と共に、花畑広場で開催したのが「クリスマスマーケット熊本」の始まりです。

「ヨーロッパや日本各地で行われているクリスマスマーケットをお手本にはしましたが、真似するのではなく、『熊本らしさ』を考えながらつくりあげました。それが、熊本を拠点に活動するCHIKAKENによる『竹あかり』の演出や、熊本県産の木材を使った屋台『ヒュッテ』です。飲食店も、地産地消へのこだわりやクリスマスマーケット熊本に想いのある皆さんが出店してくださっています」と坂口さん。

やわらかい光に心癒やされる「竹あかり」のオブジェ
やわらかい光に心癒やされる「竹あかり」のオブジェ
熊本県産の木材を使った屋台「ヒュッテ」
熊本県産の木材を使った屋台「ヒュッテ」

初年度の2018(平成30)年は5日間開催で来場者数は約9万人でしたが、2021(令和3)年は、花畑広場会場(14日間)と熊本駅会場(17日間)の2会場で実施し、来場者数は合計約42万人に。年々、規模や来場者数が拡大し、今や、熊本の冬の風物詩となったと言っても過言ではありません。

「毎年、その年限定のデザインマグカップを販売していますが、それを求めて、初日や2日目に足を運んでくださる方がたくさんいらっしゃいます。『今年も楽しみにしていました』と購入してくださる姿を見ると、『クリスマスマーケット熊本』が地域に根付いてきていることを実感してとてもうれしくなります。今年のマグカップは、各会場1000個限定で販売しましたが、開催2日目には完売しました」と微笑む坂口さん。

今年は、平日の雨の日に2会場で販売される「雨の日マグ」(限定1000個)も用意されています。主催者が、天気予報をもとに販売日を事前に決定し、ホームページで発表。ホットワインまたはホットチョコレートの店舗で、ドリンク入りで販売されるので、ぜひチェックしてみてください。

熊本県出身の書道家・武田双雲さんが手がけた、「クリスマスマーケット熊本」のタイトル書をモチーフにしたマグカップ。 (左から)熊本駅会場限定「Nami-波-」(完売)、花畑広場会場限定「Kumo-雲-」(完売)、平日の雨の日限定「Mori-森-」
熊本県出身の書道家・武田双雲さんが手がけた、「クリスマスマーケット熊本」のタイトル書をモチーフにしたマグカップ。 (左から)熊本駅会場限定「Nami-波-」(完売)、花畑広場会場限定「Kumo-雲-」(完売)、平日の雨の日限定「Mori-森-」

授乳室やオムツ替えスペースなど、子連れ客も遠慮なく楽しめる場所に

「クリスマスマーケット熊本」が目指すものには、「熊本らしさ」ともう一つ、「優しいクリスマス村づくり」があります。子連れのご家族にも、特別で非日常な空間を満喫して欲しいと、会場にはさまざまな工夫がされています。大人から子どもまで楽しめる飲食のバリエーション、低めのテーブルやソファ席、複数のフォトスポットの設置など…。

熊本駅会場の様子
熊本駅会場の様子
花畑広場会場の様子
花畑広場会場の様子

花畑広場会場には今年、「ファミリーゾーン」も初登場しました。ここには、授乳室やおむつ替えスペースが設置され、親子でゆっくり食事を楽しむことができます。

ファミリーゾーンの様子
ファミリーゾーンの様子

「例年、小さなお子さんがいらっしゃるお客さまから、『ベビーカーを押して行きにくい』『席にゆっくり座れない』『授乳やトイレに困る』といった声が聞かれました。そうした課題を解決したいと、数年前から企画を練っていた『ファミリーゾーン』が今年、やっと実現しました」と坂口さん。

このように実行委員会は、毎年、来場者の要望を聞きながら「優しさとは何か」を突き詰めて考え、お客さまに寄り添ったイベントづくりを行っています。

本格的なクリスマスグッズ店など、今年初登場のコンテンツが多数!

今年は、海外のクリスマスグッズをそろえた「クリスマスワールド」も初登場(2会場で開催)。種類や大きさが多彩なスノードームや、可愛らしいサンタクロースの人形、アドベント期間に小窓を毎日一つずつ開けていく家の形のアドベントカレンダー、ツリーを華やかに彩るオーナメントなど、海外から取り寄せた本格的なクリスマスグッズがずらりと並びます。クリスマスを迎える準備におすすめですよ。

また、SDGs企画として、熊本で加工される過程で廃棄されていた馬肉を使ったオリジナルドライカレーも期間限定で提供されています【熊本駅会場は12月15日(木)まで、花畑広場会場は12月14日(水)まで】。フードロス対策事業を全国展開する、熊本市の企業「フリフル」とのコラボ企画。熊本県産規格外野菜をベースにした、色とりどりのトッピングも注目です。

この他、熊本駅会場では、JR熊本シティが主催する、天草の海の魅力を表現したプロジェクションマッピングも楽しめます。両会場にはステージも設置され、180を超えるライブやステージイベントも開催。ゲストアーティストや地元のグループなど多数の出演者が、イベントを盛り上げています!

熊本駅会場のプロジェクションマッピング
熊本駅会場のプロジェクションマッピング
ステージイベントの様子
ステージイベントの様子

大切な人と外で過ごすクリスマスを、熊本の当たり前の風景に

今年、5回目という節目を迎えた「クリスマスマーケット熊本」。最後に、坂口さんに今後の展望を聞いてみました。

「今回のイベント期間中も、メンバー全員が、昨日よりも今日、今日よりも明日、より良いものをつくろうと全力で取り組んでいます。イベントが終わったら、今回の経験をもとに、メンバーがそれぞれの角度から来年はどうするべきかと意見を出し合い、次回に向けて動き出します。そうして来年以降もずっとイベントを続け、熊本の冬の風物詩として根付かせていきたい。家族や友人、恋人など大切な人と外でクリスマスを過ごすことが、熊本の当たり前の風景になる、そのきっかけになれたらうれしいです」

現状に満足することなく、来場者の声を拾い上げながら、毎年進化を続けている「クリスマスマーケット熊本」。取材の後、坂口さんが、泣いている子どもを見つけるとすぐに駆け寄り、笑顔で声をかけている姿が印象に残りました。ハード面だけでなく、こうしてソフト面でも来場者に寄り添う姿勢が、多くの人に愛される理由なのだと思います。熊本の冬の風物詩として、今後もどんな新しい姿を見せてくれるのか楽しみです。

■クリスマスマーケット熊本

【熊本駅会場】

日程:開催中〜2022年12月25日(日) 

時間:平日 17:00〜22:00、土日 11:00〜22:00

場所:JR熊本駅前「アミュひろば」(熊本市西区春日3丁目15)


【花畑広場会場】

日程:2022年12月9日(金)〜25日(日) 

時間:平日 16:00〜22:00、土日 11:00〜22:00(金土は23:00迄)

場所:花畑広場(熊本市中央区花畑町7-10)


URL:https://xmas-kumamoto.com/

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