熊本の中心市街地には、上通・下通り・新市街というアーケード街があります。その、上通と下通りの中心市街地に3店舗、そのほか熊本県内に7店舗を運営する老舗「スイス洋菓子店」。地元熊本の人が愛するお菓子がそろっています。
1962年創業、中国料理店を営んでいた創業者が、ヨーロッパ旅行をした時に、自然豊かで清潔で美しいスイスに感銘を受け、「スイス洋菓子店」を始めることに。その当時、熊本市に洋菓子店はまだ少なく、たちまち人気店となりました。これまで56年、熊本の人のなじみの洋菓子店となっています。当時からずっとつくり続けられているものがあります。キラキラ光るグリーンの包み紙の「リキュール・マロン」というお菓子です。
「中に何が入ってるんだろーーー?」
ワクワクしながら包み紙を開くと、ぽわーんとリキュールの良い香りが漂います。スポンジにリキュールシロップをたっぷり浸して、熊本県産の渋皮マロンが入ったバタークリームをたっぷりと挟んであります。昭和の雰囲気漂う、大人が楽しめるケーキです。
「あのグリーンの包み紙がよかったみたいです!リキュール・マロンの歴史は長いので、お客様から“凍らせて食べるとおいしい”など、教わることも多いです。」と、スイスを運営する紅蘭亭グループ 取締役専務 葉山耕司さんは話します。「スイスの洋菓子は、原材料は、できるだけ九州産のものを使うようにつとめています。防腐剤などの添加物を使用していません。熊本に洋菓子文化があまりなかった創業当時から、皆様になじんでいただけるような商品をつくってまいりました。生ものですので、あまり遠くには持っていけません。熊本に来て味わっていただく熊本ブランドだと思っています。」葉山さんが言うとおり、熊本の人たちは、日々のおやつはもちろん、誕生日やお祝い、進物、人が集まる時など、様々なシーンでスイスのお菓子を食べています。そんな熊本の人に愛されるなじみの洋菓子となった理由は、商品づくりにありました。
「スイス洋菓子店には、昔からのファンが多く、今では三世代でお楽しみいただいています。これまでお客様のとのやり取りで得た声をいかして、研究を重ねています。熊本の人の意見を反映しているので、“熊本らしさ”を商品に反映していると言ってもいいかもしれません。日々研究を重ねてハイレベルなレシピをつくり、作り手の納得のいく材料を厳選し、技術の高い熊本の職人がつくりあげる…伝統に根ざし、“熊本スピリッツ”を商品に反映しているのです。」と力強く話してくれました。
季節感も大切にしていて、秋には、熊本県産の和栗を使ったモンブランなど、四季折々のケーキも登場します!
2016年4月の熊本地震では、地元の人にも観光客にも人気だった中華料理店とスイスが入る熊本市下通りの店舗が損壊し、営業ができなくなりました。葉山さんは、「築60年でダメージが大きかったです。2020年4月頃を目指して、現在、立て直し中です。様々な意味で“復興”を遂げなければなりません。県内外問わず、皆さんにお待ちいただいておりますので、熊本のコミュニティの中でその役割を果たしていきたいと思っています。きちんと復興してみせることが、私たちだけでなく町にとってもプラスになるはずです。」と話します。
“熊本スピリッツ”が表れる洋菓子の数々。熊本の人が愛する「スイス」の洋菓子を、熊本の歴史と復興にかける想いとともにご賞味ください。
■熊本人が愛する「スイス洋菓子店」
■誰もが懐かしむ緑の包み紙「リキュール・マロン」
■三世代が楽しむ熊本ブランドのスイーツ
■九州産の食材にこだわったコラボレーション商品も!
店内のショーケースの中にずらりと並べられた洋菓子は、熊本の材料を使ったものが多くあります。熊本県北部に位置する山鹿市から取り寄せるこだわり卵と阿蘇の大自然の中で牛の餌からこだわって製造している「ASO MILK」を使ったプリンのほか、古くから熊本に伝わり、プロの料理人がほれ込んで愛用する「赤酒」を使ったチョコレートなどは、厳選した熊本のおいしさがつまっています。
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