観光の休憩がてら立ち寄った喫茶店で。大切な人との再会で訪れたカフェで。

おいしいコーヒーに出会えたら、旅はさらに豊かなものになるでしょう。


熊本市には、地元住民に愛されるコーヒーショップがたくさんあります。

豆の種類やコーヒーの淹れ方、店内の雰囲気など、

それぞれに個性があり、そこでしか味わえない一杯があるのです。


今回は、その中からこだわりのコーヒー専門店を3店ご紹介します。

あなたの旅を彩る一杯が、見つかりますように。

「和」を感じる珈琲専門店 珈琲回廊

古く、城下町として栄えた唐人町通り。

歴史を感じる町並みに、2019年10月、新たなスポットが誕生しました。

築120年の町屋をリノベーションし、「和」と「現代」を融合。

流行を追いかける若者から本質を求める大人まで、皆が楽しめる空間になっています。

■25種類のスペシャリティコーヒー豆

珈琲回廊に並ぶ豆は、オーナー自らが買い付けてきた選りすぐりのもの。

標高が高い産地のものを中心に、農園の環境を見て選ぶのだといいます。

25種類にも及ぶスペシャリティコーヒーは、

果実のまま乾燥させるナチュラル、一度水で洗い流すウォッシュドなど精製方法もさまざま。

酸味や苦味、香りといった自分の好みを伝えてみましょう。

スタッフがオススメを教えてくれます。

豆を購入すると、コーヒー(ホットもしくはアイス)のサービスが受けられます。

焙煎の間、店内でゆったりと過ごす時間は、心安らぐひとときです。

窓の外に広がる、日本庭園を彷彿とさせる緑が、そっと心を癒してくれます。

コーヒーのお供に用意されているのは、和菓子。

専属パティシェがつくる「洋」のエッセンスを入れた和菓子は、独創的です。

餡子から手作りしているという「大福」には、コーヒー豆が添えられています。

「COLD BREW」との相性も抜群です。

そのほか、「おはぎ」や抹茶の水饅頭「笹」も不動の人気。

季節で変わる限定商品もあり、スイーツも見逃せません。

■エンターテイメントとしての空間

珈琲回廊が目指しているのは、ライフスタイルの一部になること。

豆を選び、店内での一杯に癒され、買った豆をおうちで嗜む。

このサイクルで通ってほしい」とのお店の方のお話にあるように、

地元の住民をはじめ多くのファンが何度も訪れるといいます。

その理由は、ここが特別な空間だから。

シャカシャカと珈琲を炒る音、香り、煙......珈琲を五感で楽しめるのです。

そんな店内の階段を登ると、広がるギャラリースペース。

この日は、福岡市今泉の郷土玩具専門店のポップアップストアがオープンしていました。

普段は2階席として利用できますが、このようなイベントも定期的に開催されているのだとか。

1階から聞こえる焙煎の音を聞きながら、特別展示を観賞する時間も、また贅沢です。

【珈琲回廊】

熊本市中央区西唐人町20

営業時間/10:00~19:00

テイクアウト/可

定休日/無

https://www.coffeegallery.online/

好きな豆がきっと見つかる ROTARY COFFEE

熊本駅から白川を越えると広がる住宅街。

町に溶け込むように存在する『ROTARY COFFEE』は、

2019年11月オープンのコーヒー豆店です。

紺色の暖簾をくぐれば、コーヒー愛に深い店主・東さんが出迎えてくれます。

■焙煎の好みを探れる試飲

店内に並ぶ4~5種の豆は、焙煎具合が異なるもの。

浅煎り、中煎り、深煎りの豆を揃えて幅を持たせることで、

どれかがヒットするラインアップになっています。

また、必ず1種は季節のブレンドも用意しているそう。

これら全てを試飲できるのが、ROTARY COFFEEの醍醐味です。

丁寧に説明し、好みの豆を一緒に探してくれる東さん。

「豆を煎っていくと、酸味、甘みが出て、その先に苦味が出てくる。

ワインのようなジューシーな酸味を感じられるのがスペシャリティコーヒーの特徴です。

苦味も、チョコレートのような甘みを含んだ風味があると思います。

私は、ある一杯がきっかけでコーヒーに目覚めました。

お客様にも、お好きな豆を見つけて感動していただけたら嬉しいです」

コーヒー豆を購入すると、1杯サービスを受けられます。

お気に入りの豆でも、購入した豆以外のものでもOK。

お家で飲むのとは一味ちがう、プロが淹れるコーヒーを堪能できます。

そのほか、「熊本県産さいとう農園のイチゴシェイク」や

季節のくだものジュースといったドリンクメニューも充実。

お子様やコーヒーが苦手な方とも一緒に立ち寄れます。

■コーヒー愛を感じるオリジナルメニュー&グッズ

コーヒーと一緒に楽しめる、手作りのお菓子も数種類用意されています。

中でも、「コーヒーミルクプリン」は絶品。

水出しコーヒーを牛乳で抽出してつくったプリンに、

エスプレッソと砂糖を煮詰めたコーヒーソースがかかっています。

また、お菓子を提供するお皿は、熊本の陶物工房「亀屋」にオーダーし、

コーヒー豆のかすを練りこんだという特注品です。

お土産やプレゼントに最適なオリジナルグッズも展開。

かわいらしいイラストが特徴的で、つい手に取ってしまいたくなるデザインです。

バレンタインや母の日といったイベント時期には、

特別パッケージのギフトセットも用意されています。

ここで出会えたお気に入りの豆を、大切な方に贈ってみてはいかがでしょう。

【ROTARY COFFEE】

熊本市中央区本山町 315

営業時間/12:00~20:00

テイクアウト/可

定休日/水曜日

https://rotarycoffee.jp/

コーヒーという学問への入り口 コーヒー焙煎研究所 わたる

熊本市の中心地から南へ車を走らせること、20分。

国道3号線沿いに見えるオレンジの建物の2階に、『コーヒー焙煎研究所 わたる』はあります。

店主は、熊本市南区の近見にあるコーヒースタンド『るるわ珈琲』のオーナー。

焙煎所が熊本地震で被災したことをきっかけに、

新たにこの地で、焙煎と豆の販売を行うお店をオープンしました。

■「フレーバー」を体感する

ここで扱っている生豆はすべて、手作業で丁寧に栽培されたもの。

完熟したコーヒーチェリーのみを収穫・精製しています。

鼻で感じる香り「アロマ」、口で感じる酸味や甘味、苦味の「テイスト」、

そして、その両方が合わさった、喉の奥で感じる風味「フレーバー」。

これらを鮮明に感じるためには、高品質の豆であることが必須条件なのです。

産地や製法によって風味が異なるコーヒー。

店内に並ぶコーヒーは、それぞれ産地や農園名、精製方法が明記されています。

さらには、焙煎の度合い、テイストの強さ、フレーバーまでを可視化。

味と香りのバランスが取れた豆を、適切に淹れてはじめて

フレーバーを存分に味わうことができる一杯になるのです。

アメリカの研究団体『ワールド・コーヒー・リサーチ』が定義するフレーバーは、

フルーツ系からナッツ系、スパイス系など、80種類以上もあるそう。

フルーティーとひとくちに言っても、ベリー系、シトラス系、サワー系などに分けられ、

その先にはラズベリー、ストロベリーといった具体的な食べ物が設定されています。

珈琲焙煎研究所 わたるは、その「フレーバー」を体感できる場所。

これまで感じたことのない詳細の風味に、驚きを得られることでしょう。

■おいしいコーヒーには理由がある

感覚の部分が大きいと思われがちなコーヒーの世界。

店主の内山さんによると、形式知の要素も大事なんだそう。

「たとえば、お湯の温度が高い方が香りは立ちます。

しかし、味の観点で言えば、低温の方が感じやすい。

コーヒーを味わおうと思ったら、65°C以下でないと難しいのです。

私が研究所でお伝えしたいのは、おいしいコーヒーには明確な理由があること。

形式知によって、五感と脳で楽しめる。

そんな立体的なコーヒーの提供を目指しています」

基本知識や抽出、焙煎方法などを学べるコーヒー教室も定期的に開催しています。

ここに来て、コーヒーという「学問」に魅了される人も多いのだとか。

もちろん、気軽にカフェとして利用することも可能です

(情勢を考慮して、テイクアウトのみの場合もあります)。

専属パティシェ作『アイスムースサンド』と共に

プロの一杯を楽しんでみては、いかがでしょうか。

【コーヒー焙煎研究所 わたる】

熊本市南区野田 30-31 フロンティアビル 2F

営業時間/11:00~18:00

テイクアウト/可

定休日/水曜日・木曜日

https://watarucoffee.com/

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