スイカといえば「夏」というイメージがありますが、熊本では3月〜6月にかけて旬を迎えます。まさに今が「春スイカ」の出荷最盛期です。
熊本県内には、熊本市をはじめ合志市・玉名市などスイカの産地があります。特に熊本市の北部に位置する植木町のスイカは出荷量も多く、「植木のスイカ」は全国的にも有名ブランドです。
スイカは、「大玉」「中玉」「小玉」があり、サイズごとに品種も多く存在します。
「大玉」はスイカ本来の香りとシャリシャリとした食感で、食べ応え抜群です。「小玉」は、糖度が高く、果肉が少しやわらかめで皮が薄いのが特徴です。以前は「大玉」が主流でしたが、最近では冷蔵庫に丸ごと入る「小玉」のニーズが高まっています。
熊本市北区にある「道の駅 すいかの里 植木」によりますと、美味しいスイカをつくるためには、「高い気温」と「強い光」が必要。熊本のスイカは、ほとんどが温度管理されたビニールハウスで栽培され、太陽の光を存分に浴びているから、甘く育つということです。さらに、熊本は盆地特有の気候で寒暖差が大きいことも、美味しいスイカが育つ要因となっています。
熊本市北区でスイカを生産している清田農園の清田輝雄さん、真弓さん夫妻にお話を伺いました。
清田農園では、大玉スイカの「肥後漫遊」「だんらん」、小玉スイカの「ひとりじめ」、今年から新品種の「ピノ・ガール」などを栽培しています。
清田農園によりますと、熊本県内で多く出回っているのが大玉の「だんらん」。春先に向けておいしくできるように品種改良されたもので、香り高いのが特徴です。
同じく大玉「肥後漫遊」は、果肉がシャキッと固めに締まっていて、他の大玉と比べると糖度が高めだと言います。また、小玉の「ひとりじめ」は大玉に比べると皮が薄めで、果肉がじゅわっとジューシー。とにかく甘いのが特徴です。今季初めて作ったという「ピノ・ガール」は、タネがごく小さくなるように品種改良された甘くて食べやすいスイカ。大玉・小玉、品種も様々でそれぞれに特徴があるのです。
出荷する糖度の目安として、大玉は、普段11度のところ春先は12度以上。小玉は普段12度のところ春先は13度以上にしています。この春先に甘くておいしいスイカを出荷するために「温度管理」と「水分管理」を徹底的に行うという清田さん。
苗を植えた後の冬場は気温を5度〜7度以上に管理して、1つずつ花粉をつけて交配させます。そして、実が大きくなり始めた頃の水やりは、なんと大玉でも2度ほど、小玉ではたったの1度行うだけだそう。
真弓さんに、水をわずかしか与えないのに、なぜスイカはあんなに水分が多いのか尋ねてみると、「本当、不思議ですねー」と笑って答えてくれました。
例年ゴールデンウィークが、出荷の最盛期です。しかし、今年は新型コロナウィルスの影響を受け、東京中央卸売市場では、卸売数量が昨年同時期に比べて約6割少なくなっています。
最盛期はいまの時期ですが、10月から12月頃に出荷される「秋スイカ」など、熊本のスイカはほぼ1年中出荷されています。オンラインストアでも購入可能です。
ぜひ、熊本のスイカを取り寄せて食べてください!
そして、今月10日は母の日。お母様へ旬のスイカを贈るのもおススメです。
食べごろは「ちぎりたてが一番おいしく、今の時期であれば常温で食べることがおすすめです。」と真弓さん。「冷蔵庫で冷やして食べる人が多いけれど、17度〜18度ぐらいの気温が一番おいしく食べられます。夏場なら甘みと風味が感じられるように1時間ほど冷やすと良いです。また、カットした後は、野菜と一緒で早めに食べることです。熊本のスイカは今が一番甘くておいしいです。夏場とは違うおいしさを感じられるので、ぜひこの時期のスイカを食べて欲しいです。この時期の春スイカの味を知ってやみつきになったリピーターも数多くいらっしゃいます。」と話していました。
今年は、外出自粛の影響で、熊本から首都圏に住んでいる子どもや孫、知り合いへ送りたいと、大玉スイカがよく出ているということです。
さらに、これから暑くなる夏におすすめのスイカは黒小玉スイカ。特徴は、表皮が黒く他の小玉スイカよりも果肉がシャキシャキで、夏場に食べるのに最適です。
「デパート・ホテル・レストランなどの営業自粛などの影響がありますが、お家でたくさんスイカを食べて、笑顔で過ごせる日常に戻るよう祈っています!」と、清田夫妻は話します。
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