ご乗車いただき、誠にありがとうございます。
熊本市の街並みの一部であり、熊本を象徴する風景ともいえる路面電車。熊本市民からは通勤・通学の足として愛され、熊本を訪れる旅人にとっては観光や熊本市内を移動する際の手段として便利な乗り物です。
不定期連載ではありますが、今回からはじまります「熊本市電 電停ぶらり旅」は、熊本市電の電停をひと駅ずつ移動しながら電車から降りて、その駅周辺の魅力をぶらりと歩きながらご紹介していきたいと思います。
さてさて、今回は出発前の準備として、熊本市電の基礎知識。
1:路線について
熊本市電は2つの路線があります。A系統(田崎橋=健軍町)とB系統(上熊本=健軍町)です。A系統が赤色、B系統が青色なので、車両の前方・側面にある案内表示の色で路線がわかります。
もうお気づきの方も多いかと思いますが、A系統とB系統どちらも健軍町が終点です。(折り返し運転なので、始発点でもありますけど)途中で路線が合流します。なので、健軍町方面に行きたい人はA系統でも、B系統でも迷わずご乗車ください。AでもBでも間違いなく健軍町方面に向かいます。健軍町方面から熊本駅、上熊本方面に向かう場合が、ちょっと注意が必要です。とはいえ、赤のAだったら熊本駅、青のBだったら上熊本とわかりやすいので目的の電停がA系統かB系統かは、あらかじめ調べていくのがいいでしょう。
2:運賃について
これまたわかりやすい、どこからどこまで乗っても均一運賃です。おとな(中学生以上)170円、小学生以下は90円。未就学児は同伴者(小学生以上)がいれば、同伴者1人につき1人無料です。現金で払う場合は、あらかじめ170円(90円)を握りしめていきましょう。運賃は降りるときに払います。もちろん、全国共通の交通系ICカードも使えます。
そして、旅行者の方におすすめなのが、この1日乗車券。
一日どれだけ乗っても500円(小学生以下は250円)。3回以上乗り降りする予定があればこの1日乗車券がお得です。市電の車内でも販売しているので、電停で停車中に買うことも。そのほか、交通局や市内の観光案内所、熊日プレイガイドなどでも販売しています。
販売窓口の確認はこちらから http://www.kotsu-kumamoto.jp/one_html3/pub/Default.aspx?c_id=14
さらにさらに、2020年にはこの市電1日乗車券がモバイルチケットとして販売されています。料金は紙のチケットと同じ。
スマートフォンアプリからチケットが購入できて乗車の際は画面に表示して運転士さんに見せるだけ(※アプリは図の使用ガイドを確認してください)。この1日乗車券(紙もモバイルも共通です)を熊本市内の主要な施設の割引クーポンとしても使えます。
モバイル一日乗車券についてはこちら http://www.kotsu-kumamoto.jp/kihon/pub/detail.aspx?c_id=8&id=12
3:歴史について
熊本市電が開通したのは、大正13年(1924年)。今から約100年前のことになります。開通から少しずつ路線が延長され、複線化され、昭和38年頃(1963年頃)には熊本市内を縦横無尽(ちょっと大げさかもしれませんけど)に車両が走り、まさに市民の足として活躍していました。
昭和39年頃の辛島町。遠くに熊本城の天守閣が見え、大阪から来た車両の388号が信号待ちをしています。手前の線路は南熊本駅前へ延びていました。
南熊本駅前に停車中のさよなら電車135号。辛島町~南熊本駅前の春竹線は昭和45年4月30日限りで廃止となりました。今のような2つの路線になったのは、昭和47年(1972年)、2月末に子飼橋方面の路線が廃止になってからです。
当時は、A系統を「2号系」、B系統を「3号系」と呼んでいました。2号、3号で慣れていた市民にとって、その呼び名がA系統、B系統と変わった時、かなり戸惑ったことを思い出します。
この車両は、今でも現役ですね。系統の表示が「2」と「3」になっています。
このほかにも、国内の路面電車における全国初の冷房車運行(昭和53年、1978年だそうです)や、JR九州の車両デザインで知られる水戸岡鋭治氏が手がけた超低床電車「COCORO」(平成26年、2014年に運行開始)など、ちょこちょことした話題にもことかかない熊本市電。
駆け足で、熊本市電について基礎知識をご紹介してまいりましたが、これから35の電停、ひとつずつ降りて、ぶらぶらと歩きながら熊本の町をご紹介していきます。
電停を降りた先には、どんな風景が広がっているのか。お楽しみに。
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