2016年4月14日の前震、16日の本震。

熊本を2度も襲った震度7の地震は、観測史上例をみない地震といわれ

その被害は、熊本城にまで及びました。


発災直後、土ぼこりを上げる熊本城・天守閣。

崩れ落ちた石垣、倒壊した外塀……

被害は全域に及び、大天守の6階の瓦は、ほとんどが崩落してしまいました。


傷ついた熊本城を、涙を流しながら眺める熊本市民。

「いち早く、熊本城を元気な姿に戻さなければ!」

市は、天守閣を「復興のシンボル」として早期復旧を目指し、

全力を挙げて取り組むことにし、復興計画を立てます。


そして、5年の月日が経ち、いよいよその日がやってきました! 

6月28日に始まった、熊本城特別公開第3弾・天守閣内部公開の見所をご紹介します。

バリアフリーや安全対策も万全! みんなに優しい熊本城へ

威風堂々と佇む熊本城天守閣。その姿は圧巻です!!

【新たな天守閣のポイント 1】天守に焦点を置き、加藤時代から近現代を中心に展開

城全体の展示から、天守を中心にした展示内容になり、これまでなかった西南戦争以降の展示が追加されています。

【新たな天守閣のポイント 2】バリアフリーでみんなに優しい

スロープやエレベーターが完備され、車椅子やベビーカーでもスムーズ。天守閣1階の受付で申請するとエレベーターが使えます。

加藤時代〜近現代へ。天守閣にまつわる物語の数々

真新しいスロープを通り天守閣内部へ進むと、まず出迎えてくれるのは、地階・穴蔵空間です。本来、台所だった穴蔵についての解説や、慶長4年当時の石垣を見学することができます。

パネルを操作して解説を見ることもできるなど、より分かりやすい工夫もたくさん
パネルを操作して解説を見ることもできるなど、より分かりやすい工夫もたくさん
熊本城が「難攻不落の城」「不屈の城」と呼ばれていた理由が、このシアターを見れば一目瞭然です
熊本城が「難攻不落の城」「不屈の城」と呼ばれていた理由が、このシアターを見れば一目瞭然です

「食べられる城」のお話も、ユニークにイラストで展示してあり、楽しみながら知ることができるのもポイント。子ども達も夢中になりそう!

昭和35年の天守再建の様子もシアターで楽しめます。

復興城主の人は、自分の名前を検索することができる「復興城主デジタル芳名板」。

慶長4年に着手した築城から422年。天守閣の中で知った長い歴史を噛みしめながら、5階の通路を通り、6階展望エリアへ。

熊本城のスマートフォンアプリをダウンロードしておけば、各展示物の音声ガイドや字幕システムだけでなく、AR機能で今の風景と古写真とを重ねて楽しむこともできます。

変わらないもの、変わっていくものを、その目で確かめることができる熊本城。創建当時の姿を今に残す「宇土櫓」は、解体・復旧が予定されているので、天守閣と宇土櫓を一緒に眺められるのも、あとわずか…。限られた時間ですが、この姿を目に焼きつけてください。

 

 

熊本城公式HP

https://castle.kumamoto-guide.jp/


熊本城特別公開について

https://castle.kumamoto-guide.jp/grand-unveiling/

清正の城造りや熊本城の誕生、大型模型から見る天守のつくりやデザインなど、全フロアの中でも展示が多く、見どころ満載。シアターのナレーションは、熊本出身の宮崎美子さんや高良健吾さんが担当というから、どの展示も見逃せません。

細川家の入城や城下の広がり、天守の果たしてきた役割が、CG映像などを使って解説されています。

明るい雰囲気の近代フロアでは、明治維新や西南戦争と熊本城、明治22年の熊本地震、天守の再建について展示されています。熊本城再建に大きく貢献した「富重写真所」所蔵の熊本城の写真には、よ〜く見ると石垣に登る人が…。「サイズが分かるように車夫の方を登らせたそうですが、武者返しなのでここまでしか登れなかったとか…」ということ。細かなところまで楽しめる展示になっています。

熊本地震による天守の被害や復旧の様子を知ることができます。

熊本地震による天守の被害や復旧の様子を知ることができます。

【地下1階・穴蔵】天井まで届く巨大デジタルサイネージは圧巻

【1F・加藤時代】加藤清正公が現代にもたらす功績を1フロアに凝縮

【2F・細川時代】細川家が統治した熊本藩の、江戸末期までの繁栄を知る

【3F・近代】焼失・地震からの復旧。熊本城の古写真に感動必至!

【4F・現代】記憶に新しい、2016年熊本地震の被害と復旧の歩み

【6F・展望フロア】明治と現代の熊本の市街地を、重ね見る貴重体験を

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