俳優・高良健吾さんに聞く。街ナカに誕生したホテル「OMO5熊本 by 星野リゾート」の魅力と価値
2023年4月25日、熊本市中心街に誕生した「OMO5熊本(おも) by 星野リゾート」。「パルコ跡地」という熊本人にとって印象深い立地と、「街を楽しむ」という視点を持った新しい宿泊施設のスタイルが、早くも話題を集めています。
熊本市の親善大使として、「HAB@熊本」「OMO5熊本 by 星野リゾート」の開業イベントに訪れていた俳優・高良健吾さんに、総支配人・磯部 竜さんとホテルの魅力を語り合っていただきました。
■熊本の新しい「景色」となり、思い出になる場所
---まず率直に、「OMO5熊本 by 星野リゾート」の第一印象はいかがですか?
(高良)良い意味で「派手じゃない」のが、とてもいいなと思いました。新しい施設なので、「とても派手で主張の強い建物になるのかな」などと想像していたのですが、とても風景になじんで「街を邪魔していない」のが嬉しかったです。これはあえて、このようなデザインになっているんですよね?
(磯部)そうなんです。星野リゾートの「OMO」というブランドは、“テンションあがる「街ナカ」ホテル”をコンセプトにしていて、このホテル単体ではなく街全体を1つのリゾートとして捉えています。そのため、ここ「OMO5熊本 by 星野リゾート」も街の景色と連動性のある、街に溶け込むようなデザインにこだわっています。テラスはご覧になりましたか?
(高良)はい、テラスの景色もいいですよね! 上通と下通が見えて、熊本城まで眺められて、気持ちのいい景色が魅力的な空間です。思わず写真を撮りたくなるような景色ですよね。熊本人が思う街の景色ですし、ここに来たお客さんにとっての「熊本の景色」として思い出に残るのでしょうね。
(磯部)「凸凹(でこぼこ)テラス」という名前で、熊本城の郭(くるわ)をイメージしたでこぼこのベンチがある空間や植栽にもこだわっています。これも、街の景色となじむようにと施したデザインです。
(高良)この「パルコ跡」という立地は、熊本人にとっては待ち合わせのメッカであり、自分を含め「ここが思い出の場所」という人も多いと思います。そんな場所に建つ施設というところでプレッシャーもあったかと思いますし、実際「どんなものができるんだろう」と心配もしていました。
(磯部)そうですね、熊本の人にとって「パルコ跡」が大切な場所だともお聞きしていたので、街との親和性も特に意識した部分でもあります。
(高良)でも、こんなに街になじむデザインで、シンプルな中にも熊本の魅力や特徴をしっかり詰め込んであって、本当にいい場所だなと感じています。きっと、これまでパルコ前で待ち合わせしていた人たちはまたこれからも「OMO5熊本前」「HAB@熊本前」で待ち合わせるだろうし、新しい熊本の「みんなの場所」になって、思い出の景色になっていくんだろうと感じています。
(磯部)私は茨城県出身で熊本はほぼ初めての土地。熊本に来てみてとても感じているのが、語りきれないほどの魅力がある街だということです。熊本城がシンボルであるのはもちろんなのですが、その周囲の城下町や街中が元気に動き続けていてパワーがあるのが魅力だと感じています。その雰囲気をホテルでも表現していきたいと思っています。
---ちなみに高良さんは、客室はご覧になりましたか?
(高良)二段ベッドが2つある客室が印象的でした。大人数で泊まると楽しそうなお部屋ですね!
(磯部)「OMOハウス」というお部屋ですね。そこは最大6名まで泊まれるお部屋で、キッチンや洗濯機がついているので、長期滞在やお子様連れにもオススメです。寝室が2箇所に分かれているので、グループ旅行にも便利です。
(高良)畳の空間があったように思いますが、和室のお部屋もあるんですか?
(磯部)畳のお部屋……というより、ほとんどのお部屋に畳の空間が設けてあります。そして、靴を脱いで上がっていただくのが特徴の1つです。
(高良)通常、旅先で泊まるようなビジネスホテルなどでは、靴を脱ぐ部屋はあまりありませんね。くつろげそうです。
(磯部)実は、「OMO」というブランドを立ち上げる際に、お客様にアンケートでお聞きしたら、「靴を脱ぎたい」という声が多く挙がり、その声を反映させています。「OMO」のコンセプトは、周辺の観光はもちろんですが、客室でお泊まりいただく時間もテンションが上がる、滞在が楽しいホテルとして、全8タイプの客室それぞれにいろんな仕掛けを施しております。
---熊本市の中心地に、こんなに滞在も楽しいホテルがあると、観光の幅も広がりそうですね
(磯部)上通・下通の街の魅力を発信できる場所にしていきたいと思います。
(高良)まさに熊本の本当にど真ん中にあって、熊本という「街」が一番分かる場所だと思います。特に熊本に初めて観光に来る方にとっては、熊本を知って楽しめる絶好のホテルになるのではないかと思います。それに交通アクセスもよいですから、ここを拠点に熊本のいろんな美味しいお店にも面白い場所にも足を伸ばしてほしいですね。本当に熊本にはいいスポットがたくさんありますから。
■熊本城“だけじゃない”熊本の街中の魅力を、発信する場所
ここからは、「OMO5熊本 by 星野リゾート」の磯部支配人に、ホテルの見所をさらに詳しくお聞きします。
---「OMO5熊本 by 星野リゾート」に入って、まず印象的なのがフロントのあるフロアです。
(磯部)はい、このフロア全体を「OMOベース」と呼びまして、先ほどお話しに出た「凸凹テラス」のほかにカフェ、フリースペース、ご近所の情報を収集できる散策マップ「ご近所マップ」などがあります。街の滞在拠点として利用できるほか、宿泊者以外の方もご利用いただけるスペースです。
---カフェも外来利用できるんですね?
(磯部)「OMOカフェ」は11:00~22:30でご利用いただけます。熊本らしさを研究して開発した熊本オリジナルメニューに、ぜひ注目いただきたいです。
カフェメニューは軽食とスイーツ、ドリンクがあります。阿蘇名産のあか牛が入った「あか牛シチューのキューブトースト」は、ワインにもよく合うので夜の時間帯にもオススメです。
また、「OMO5熊本」にしかないドリンクとして、例えば、熊本名産の果物を使った「晩柑緑茶ソーダ」や「イチゴとトマトのスムージー」など、ユニークなものをご用意しています。
デザートは、こちらも「OMO5熊本」で初めて登場する「まぜまジェラート」。アイスクリームと熊本の銘菓や甘味を混ぜて作るジェラートです。例えば、バニラアイスに銘菓「肥後太鼓」と生スイートポテトをトッピングした「まぜまジェラートOMO5熊本スペシャル」は、肥後太鼓の塩っ気が程よくてオススメの組み合わせ。熊本の方も、新たな熊本の食の魅力を発見いただけるラインナップだと思います。
---客室も「熊本らしさ」が詰まっているそうですね。
(磯部)先ほどご紹介した「OMOハウス」をはじめ8タイプ全160室があり、少人数旅行からご家族、グループ旅行まで、人数や目的、同行者に合わせてお選びいただけると思います。
その中で「OMO5熊本」で初めて登場したのが「えんたくルーム」(定員2名)です。2つのベッドの間に円卓のようなゆったりしたテーブルが配置してあります。夜は仕切りにできて、程よいプライベート感も保てる仕様です。
もう一つオススメしたいのが、「やぐらルーム」(定員4名)です。畳貼りで、ヒノキで組まれたやぐらの上にベッド、下はリビングとして利用できます。子どもの頃に夢見た秘密基地のようにワクワクしてご利用いただけるお部屋です。
---どのお部屋も楽しそう!
(磯部)どの部屋にも、熊本の火山や自然、水などから着想した壁紙や熊本を象徴するモチーフのアートワークが施されていて、滞在中も「熊本」を楽しめるよう工夫しています。
---地域に根付いたホテル、という点を、かなり意識されているんですね?
(磯部)はい、先ほども話に出ましたが、「OMO」のコンセプトが“テンションあがる「街ナカ」ホテル”で、街全体を1つのリゾートとして捉えています。街全体が主役で、その中の拠点としてホテルがある、という存在感を目指しています。ですので、ホテルの立ち上げに当たっても、ホテル自体と言うより街中のリサーチの方に時間と労力をかけています。
私自身もかなりあちこち回らせていただき、熊本城だけではなく、城下町・上通下通の歴史や、熊本が誇る水の魅力など、深い部分の魅力にまで触れることができたように思います。施設のコンセプト「わさラッシュ!城下マチ」も、そこから生まれました。
---「わさラッシュ!城下マチ」!
(磯部)新しいもの好きな県民性を示す「わさもん」と、次々と新しいものが出てくるという意味での「ラッシュ」を組み合わせた造語です。活気あふれた「動き続けている城下町」というイメージを、街の魅力として捉え、コンセプトに反映しました。
---OMO5熊本独自のガイドツアーも、そのような徹底リサーチから生まれているのですね。
(磯部)はい、「OMO」ブランドに必ずある「OMOレンジャーツアー」というアクティビティーですが、その内容は各施設が独自に考えます。熊本の場合は、やはり街の魅力、古いものと新しいものが融合して独自のパワーを作っているような空気を感じたので、「城下町さるく」という名前で上通・下通を巡るガイドツアーを作りました。
スケジュールは、あえてチェックアウト後の11時スタートで1時間のコースで組んでいます。おそらく熊本市内に泊まる方の多くは、到着してまず熊本城などのメジャースポットに行かれるでしょうから、チェックアウト後、出発までの時間に、もう少しディープな街中の魅力を楽しんでいただけるよう設定しています。終了後も、ツアーで見かけたお店でご飯を食べたりお土産を楽しんでいただいたりと、時間の許す限り街中を楽しんでいただければと思っています。
---本当に、「街中を楽しむ」ための工夫がとても丁寧で、きめ細やかですね!
(磯部)熊本に旅行に来られる際、熊本市に来て熊本城には行くけど宿泊は違うエリア、という方も多いと思います。でも我々が思うのは、熊本市の観光は熊本城だけではなく、グルメだったり、水の資源だったり、繁華街の賑やかさだったりと、ディープでパワフルなたくさんの魅力が詰まっていると思います。ですので、熊本市にじっくり滞在して街を丸ごと楽しんでいただきたい、というのが我々の思いです。
さらに付け加えると、長年、熊本の方に愛されていた場所であるということも、我々も大事に思っている部分です。外来利用もできる「OMOカフェ」を、新しい待ち合わせスポットや居場所としてご利用いただけると嬉しいですね。そして、皆様に愛されるような場所に成長していきたいと思っています。
熊本市民にとっての思い出の地に誕生した、「街を楽しむ」ことに特化した宿泊施設。この存在が、活気あふれる雰囲気と城下町としての歴史をあわせ持った熊本市街地の魅力を再発掘して、熊本市観光の選択肢をより一層広げてくれる存在になるかもしれません。
取材・記事/中川千代美
撮影/原史紘
所在地 | 〒860-0808 熊本市中央区手取本町5-1 |
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問い合わせ先 | 050-3134-8095(宿泊予約専用番号) ※受付は9:30〜18:00 |