江津湖の楽しみ方：熊本市中心地近くで湖上散歩♪ SUP体験ツアーが話題

市民の水道水全てを、天然の地下水でまかなっている熊本市。浄水器やミネラルウォーターがなくても、蛇口をひねればおいしい水が飲めるのは、全国的にも珍しいことです。

2022(令和4）年4月には、アジア・太平洋地域の首脳級や国際機関の代表などが集まり、水に関する諸問題について議論する「第4回アジア・太平洋水サミット」が開催され注目を集めました。

そんな「水の都・熊本市」のシンボル的存在といえるのが、市街地にありながら、豊かな自然と湧水に恵まれた「江津湖」。Instagram「#みんなの江津湖」では、江津湖の美しい写真や動画が紹介されています。

江津湖の魅力を伝える不定期シリーズ「江津湖の楽しみ方」。今回は、江津湖でSUP(サップ)が体験できると聞き、取材してきました！

小学生から参加OK！　手厚いサポートで初心者も安心

SUPとは、Stand Up Paddleboard(スタンドアップ・パドルボード)の略称で、ボードの上に立ち、パドルを漕いで水面を進んでいくウォータースポーツのこと。海や川、湖など様々な場所で、誰でも気軽に楽しめると近年人気を集めています。

江津湖でSUPの体験ツアーを企画・運営しているファンアースの代表・廣瀬哲也さんは、「SUPは、ボードの上に立ったり、座ったり、寝転がったりと、いろんな楽しみ方ができます。小学1年生(※)から80代の方まで、幅広い年齢層の人たちが体験されていますよ」と話します。

※小学1〜3年生は、保護者と一緒にボードに乗ります

SUPは、ボードの上に立つのが難しそうなイメージがありますが、廣瀬さんのツアーでは、幅が広くて安定感のあるボードを使用しているので、初心者でもほぼ100パーセントの確率で立つことができるのだとか。ヘルメットやライフジャケットの貸し出しもあり、廣瀬さんが最初から最後まで丁寧にレクチャーしてくれるので、泳ぐのが苦手な人でも安心して体験できます。

自然を体感しながら、環境問題についても学べる貴重な体験

廣瀬さんはもともと、子どもたちに江津湖の自然や生き物について教えたり、カヌースクールを行ったりと、NPOのスタッフとして15年以上、環境教育活動をしていました。そして「もっと活動の幅を広げたい」とファンアースを設立し、昨年から江津湖でのSUP体験ツアーをスタート。

「市街地にありながら、水にこれだけ透明感がある湖は全国的にも珍しい。江津湖を含む『水前寺江津湖湧水群』は、平成の名水百選にも選ばれています。県外から体験にいらっしゃったお客さまは、湖面の美しさと周囲の建物とのコントラストにとても驚かれますよ」と、廣瀬さんは江津湖の魅力を語ります。

ツアーには廣瀬さんも同行し、珍しい植物や野鳥、水生生物を見つけたらその生態について解説しているそう。自然体験だけでなく学習もできると、参加者に喜ばれているそうです。

「自然を体感できる一方で、水が綺麗だからこそ、湖底に捨てられたゴミが目に入ってしまいます。ですがそれを逆手に取り、あえて湖底のゴミを見てもらうことで『人間が自然を汚してしまっている。自然を大切にしよう』というメッセージも伝えています」

廣瀬さんは、ボードに乗ってゴミを拾うイベントも定期的に企画し、SNSなどで市民に参加を呼びかけているそう。「自然を楽しみながら、環境問題に貢献できる」と、徐々に参加者が増え、活動の輪が広がってきているといいます。

熊本県民はもちろん、県外の観光客の参加も続々！　秋シーズンまで楽しめます

ツアーの参加者は、熊本在住の方はもちろん、福岡県や佐賀県など県外の方も、ファミリー層を中心に増えています。ツアーに参加したことをきっかけに、SUPのとりこになり、マイボードを購入した人もいるのだとか。

「今後もたくさんの方に、熊本の自然や水の素晴らしさを伝えていきたい。そしてこのツアーが、エンターテインメントとしてだけではなく、自然の恵みや環境問題について考えるきっかけになればうれしいです。市民の方からは、熊本市がとても恵まれた自然環境にあり、そのありがたさに改めて気づくことができたという声も多くいただいています」と廣瀬さん。