加藤清正が築いた熊本城を引き継ぎ、長きの間、肥後くまもとを見守ってきた細川家は、まさにくまもとの歴史のGEN.(原点)を知る上で重要。そのゆかりの地を巡れば、発見いろいろ、トリビアの数々にも心が躍る!温故知新なくまもとにたくさん出会える1泊2日旅です。
画/松永健志
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震災以降は特設ルートで天守閣へ。天守閣の入口まではぜひ、城内の史跡や細川時代などを解説するボランティアガイド「くまもとよかとこ案内人」とご一緒に。その上で天守閣に登れば、各階でそれぞれのテーマに合わせた展示、さらに天守6階からの眺望も一層、感慨深いものに。
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創業昭和24(1949)年の「郷土料理 青柳」では、熊本藩の料理秘伝書などを基に再現した復刻料理「本丸御膳」(4400円/要予約)をご用意。質素倹約を常としながら、客人には十分なおもてなしで肥後の食文化の豊かさをアピールした細川家。家紋である「九曜紋」入りの雅な器と共にお楽しみを。
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熊本藩初代藩主・細川忠利の招きで、晩年を熊本で過ごした宮本武蔵。そのゆかりの地を訪ねて熊本市の西方にある金峰山山麓の古刹・霊巌禅寺へ。無数の石仏・五百羅漢が並ぶ苔むした細道を進むと「霊巌洞」に到着。武蔵はここで兵法書「五輪書」を著したと言われています。
INFORMATION
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国指定史跡熊本藩主細川家墓所である妙解寺跡を含む自然公園。公園の左奥の苔むした石段を上がると熊本藩初代藩主・細川忠利とその夫人、二代藩主・細川光尚を祀る3つの霊廟が。その周囲に森鴎外の名作「阿部一族」のモデルとなった、阿部弥市右衛門をはじめ主君に殉じた家臣たちの墓も整然と並んでいます。
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細細川家の菩提寺「泰勝寺跡」でもある自然公園。熊本藩初代藩主の忠利の両親である細川忠興とその妻玉子(洗礼名ガラシャ)、祖父母にして細川藤孝夫妻のお墓のほか、利休七哲の茶人・忠興公の起こし絵図から復元された「仰松軒」も必見です。
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群雄割拠、味も形も多様化するくまもとのラーメン業界。そんな中、「大黒ラーメン」は豚の頭骨で仕込むスープに中太のストレート麺、おろしニンニクを低温で揚げた香り高き黒い「マー油」を浮かべた昭和スタイルを守り、1杯700円。熊本ラーメンの原点をご賞味あれ!
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御馬下村の庄屋を務めながら、角屋という名で質屋と酒屋も営んでいた堀内家。現存する屋敷は参勤交代の休憩地にも利用され、その模様を奥座敷などで再現。また、隣接の資料館では古文書などが展示され、時折、館長が江戸期の庄屋にまつわる解説を交えながら案内も。
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明治10(1877年)、西郷隆盛をはじめ、旧薩摩藩士を中心とした土族が起こした西南戦争。田原坂はその激戦地。資料館では西南戦争に至るまでを壁画で解説するほか、実際に使われた銃や弾、古文書等の貴重な資料の展示も。砲撃音や揺れをリアルに感じる体感型シアターでは、息をのむ戦場の再現ドラマも上映。