SPECIAL INTERVIEW
日ごろから、熊本が大好きと公言する高良健吾さん。熊本の人や食への思いはあふれんばかり。
さらに今回の撮影で熊本の伝統文化にも魅了されたようです。愛してやまない熊本への思いを聞きました。
■「熊本すげえな」と思ってもらいたい
今回の撮影で1年ぶりに熊本へ帰ってこられて、うれしかったです。しかも「悠久」という熊本市の仕事を、熊本出身のメンバーとできたことがすごく幸せでした。東京でファッションや飲食の仕事をしている、地元が熊本の人たちと集まると、どうすればまちの魅力を伝えられるかという話に自然となるんです。始めは県外の人に熊本の魅力を伝えたいと思っていたけど、撮影をしながら、熊本に住んでいる人にも「熊本ってすげえな」と思ってもらいたい気持ちが大きくなってきました。
東京に住むようになって、もう14年。熊本に帰ると以前とは変わってるところがたくさんありますが、また新たな場所に行ける感覚でうれしくなります。なんでこんなに熊本が好きなんだろうと考えると、魅力がある人が多いからなんですよね。父親が転勤族だったから、もしも中学、高校時代を熊本で過ごしていなければ俳優はしていなかったと思います。出会ってない人もたくさんいるだろうし、生まれなかった感覚もあるだろうし。たくさんいるから、素敵な人が。あとは食べ物も米、魚、肉、野菜、果物、水が全部そろうのがすごい。しかも質がいい。「郷土愛が強いね」って言われることが多いんですけど、東京で僕の周りにいる熊本出身の人はみんな強いから、それを考えると普通だと思います。
■熊本城に役割があるとすれば見守られながら再生に向かうこと
復旧工事が行われている熊本城にも行かせてもらって、撮影じゃなければ、あの近さで今の熊本城を見て、感じることはできなかったはずだから、ありがたい仕事をさせてもらっていると思います。復旧が完了するまでには20年間かかるといわれていて、まだまだ先は長いですよね。災害が起きたら教訓を忘れないように、記憶を風化させないように、といわれます。けれど、熊本城はいつでも熊本市の中心にあって、忘れられることなく再生に向かう様子をみんなが見守っています。熊本城に役割があるとすれば、その過程を見せていくこと。それは今回強く思ったことでした。
「悠久」をテーマにいろんな方とお話をさせてもらい、長く受け継がれてきた伝統や文化をそのまま未来へ繋いでいくことの大切さを感じました。その一方で、変えるべきところは変えて、新しいことのチャレンジしないといけないという言葉もあって、立場や状況によってどちらも正しいことですよね。それぞれにご自身の場所でその役割を果たしていらっしゃって、貴重なお話を聞けました。
この企画が、熊本の古き良きものを知って、興味を持ってもらうきっかけになり、少しでも力になれたらうれしいです。今回、自分にしかできないやり方で、自分にしかできない伝え方を、熊本出身のチームでできたこと、本当に感謝しています。
【撮影協力】壱之倉庫
熊本市中央区南坪井町2−8 熊本市電「水道町」下車、徒歩7分