16歳にしてこの知識量!
熊本から全国に情報発信する
新星・鉄道フリークを発見!

父の英才教育!?と
鉄道王国・熊本市が生んだ鉄道愛

愛用の一眼レフカメラを手に我々の前に現れた、一人の高校生。実は彼、この若さであらゆる鉄道に精通した、熊本が誇る「鉄道フリーク高校生」なのだ。彼が鉄道に興味を持ったのは、父の影響が大きいという。「父も乗り物好きで、子どもの頃は休日のお出かけ先と言えば『乗り物が見える場所』でした。飛行機を見に行ったり、ブルートレインを見に行ったり…。なので、僕も自然と乗り物が好きになりました。」中でも熱中していったのが鉄道。彼は熊本電鉄沿線に住んでおり、生まれたときから「青ガエル(通称・日本で唯一現役の500系車両)」などのレトロな鉄道が身近な存在だったそう。さらに熊本市は、ちょっと足を伸ばせば熊本市電やJRなどいろんな車両を楽しめる土地。そんな街で生まれ育ったことも、彼をますます「鉄道男子」に導いていった。


鉄道ブログは驚きの情報量!
しかも、ほぼ毎日更新

2013年からほぼ毎日更新している鉄道ブログ「熊本のまっつぅーの鉄道ブログ」を見れば、彼がただの鉄道ファンでは収まらない知識量と行動力の持ち主であることがよく分かる。「月に4~5日、休日に鉄道写真を撮りためて、毎日のブログの記事にしています」と松野くん。撮影日の移動手段は主に自転車。時には一人で、時には同じ趣味を持つ友人と連れだって1日撮り鉄ツアーを楽しんでいる。市内の撮影スポットは大体頭の中に入っており、短時間で効率よく回れる行動スケジュールを考えるのも好きなのだそう。熊本市電の水戸岡鋭治氏デザイン車両「COCORO」がデビューした日に、自転車で先回りしては良アングルで車両を撮影して回ったというのも、そんな彼だからこそなせる技だ。撮り方のこだわりを尋ねると「車両全体が美しく収まる」ことだと松野くん。見せてくれる写真はさすがの腕前で、熊本市電をはじめ、JR、熊本電鉄、さらには県外の車両など様々な車両がずらり。「これは、観光列車の回送運行を撮った写真」「これは『ななつ星』の試運転」「これは小倉駅で撮った、国鉄485系の最後の勇姿」「これはレアな表示のLED方向幕のアップ写真」と、1つ1つ語られるストーリーは、大人の我々も思わず聞き入ってしまう。そんな美しい写真と鉄道ネタが盛りだくさんのブログは、1日平均100~300人の閲覧数があるという。スゴイ!


ずば抜けた行動力と
機密なスケジューリングに感服

「そういえば、この間は八代花火大会を観に行きましたよ」と松野くん。お、花火の写真を見せてくれるのかな、と思いきや「花火大会用の臨時列車を楽しみました。普段は熊本では走らない車両が来るんですよ!」とやはり鉄道の写真。「夕方には帰宅したので、花火は見ていません(笑)」。そんな彼は夏休みに、お小遣いを貯めて2泊3日の東京旅行に行ったそうだが、やはりこれもタダモノではない旅行だった。「青春18きっぷで熊本を早朝に出発し、丸1日かけて東京まで乗り換え片道13回」、「東京に到着して10分後から駅を回り始めて(朝5時…)、山手線を1周したり、サンライズや特急きぬがわ、カシオペア、SL、スペーシアなどお目当ての車両を撮って回ったり、鉄道仲間と会う1日。横浜の夜景を見たのが、唯一の鉄道以外の観光です」、「もちろん帰りも13回乗り換え。2泊とも夜行列車内です」と、ギッシリ鉄道づくりの3日間だったのだ。松野くんが自作した旅行行程表を見ると、旅行会社顔負けの緻密さで組まれた、文字通り“分刻み”の乗り換えスケジューリング。さらに、そのときの旅行記はブログで43回に渡って連載されている。ここで我々は理解した。調べて、動いて、乗って、撮って、書いて、発信する。このすべてに大胆かつ繊細に取り組む彼だからこそ、16歳という若さでここまでの鉄道フリークになりえたのだ。大人になって行動範囲が広がればどうなるのか…、今後がとても楽しみだ!


熱人フォトアルバム

A.松野くんの
宝物コレクション
九州内である鉄道系のイベントはなるべく足を運んでいる。記念チケットなどは宝物。
B.これが東京鉄道旅行
行程表!
エクセルでギッシリ組まれた予定表は、松野くんの様々なスキルの高さを感じさせる。
C.パソコンは
鉄道写真の宝庫
PCには中学時代から撮りためた膨大な鉄道写真。全部で何千枚あるのか…。
D.これで鉄道写真を
撮って回っています!
松野くんの愛車。最近購入したというこのミニバイクで行動範囲も広がった。

松野さんの回答Q&A

好きな鉄道は?

たくさんありますが…、やはり熊本電鉄の「青ガエル」ですね。日本で1台しか走っていないのはすごいことだと思います。引退が決まっているので、寂しいです。他にも熊本電鉄には全国から車両がやってきているので、他の鉄道会社とは違った特別感がありますね。

「青ガエル」とは、青緑色の車体が特徴的な5000系車両の通称。全国に愛好家が多く、運行する日には遠方から撮り鉄が集まるほど。北熊本駅では「青ガエル記念グッズ」も販売されている。
 
 

好きな熊本市電の車両は?

今熱いのは、鉄道ファン垂涎のデザインが光る「COCORO」。そしてもう一つが「1063号車」。これは現役では最も古い昭和20年代の車両です。外装やインテリアのレトロな雰囲気はもちろん、当時のままのチンチンという発車ベルの音が特に大好きです。

1063号車はクリーム色に青のラインが特徴。臨時のみの運行なので、見れたらラッキー。熊本市電のオススメ撮影スポットは、信号のタイミングで車が被らずに撮れる、辛島町電停近くの交差点のカーブ。


松野 拓海

熊本高等専門学校2年。
鉄道関係の仕事を目指して入学したが、今は将来の選択肢の幅が広がっているそう。中1から愛用のカメラは「ニコン D3100」。

調査まとめ

実は彼が小学6年の時に新幹線に関する作文が表彰され、市電に掲示されたことがあるそうで、すでに才能の片鱗を見せていたようだ。ちなみにブログの記事では、『熊本電鉄01系』(2015年3月に来た新車両)の記事を書いたときに1日4000人超の閲覧者最高記録を樹立。今後も目が離せない!


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