2017年8月に熊本市「復興元年特命大使」に就任した石川さゆりさん。
石川さんが幼いころ、お花見や遊びに行った熊本城も地震で被災しました。
復旧作業が進む熊本城を石川さんが訪れ、現在見学できるお城の見どころを
「熊本城復興見学ルート」と共にご紹介します。

よみがえる熊本城 復興見学ルート クリックでマップ画像が拡大します

飯田丸五階櫓(いいだまるごかいやぐら)

 飯田丸一帯は、加藤清正の家臣で「築城の名手」といわれた飯田覚兵衛が築いたと伝えられ、その南西角に五階櫓が建てられていました。櫓は明治時代になると軍によって撤去されましたが、平成17年(2005)に木造で復元しました。平成28年(2016)の地震では下部石垣が大きく崩落しましたが、角石のみで櫓を支え、被災した人々に勇気を与えてくれました。

飯田丸五階櫓(いいだまるごかいやぐら)写真

大小天守と宇土櫓(だいしょうてんしゅとうとやぐら)

 大天守は、慶長5年(1600)頃に加藤清正によって築かれました。小天守は、大天守築造後に別棟として建てられ通路でつながっています。大小天守は明治10年(1877)の西南戦争直前に焼失し、昭和35年(1960)に鉄筋コンクリート造で再建されました。宇土櫓は、大天守・小天守に続いて「三の天守」とも呼ばれます。宇土櫓は江戸時代から残る重要文化財建造物です。

大小天守と宇土櫓(だいしょうてんしゅとうとやぐら)写真
熊本城を見ると、「あぁ、帰ってきたなぁ」と感じます。今は風が通り抜けるような寂しさも感じるけれど、一生懸命にそびえ立っている姿を見ると、自分も美しく堂々としていなければと、そう思います。

 大天守内部は地上六階地下一階、小天守内部は地上四階地下一階の建物です。明治10年(1877)西南戦争直前に焼失し、現在の天守は昭和35年(1960)に古写真などを基に再建されたものです。白漆喰と黒い下見板の調和が力強く、大天守最上階の出窓には「唐破風(からはふ)」という曲線の装飾、下の階には「千鳥破風(ちどりはふ)」という反りが美しい装飾も施されています。現在も「熊本の誇り」といえる建物です。

戌亥櫓(いぬいやぐら)

 戌亥櫓は西出丸の北西角に位置する三階櫓で、北西を意味する「戌亥」の名が付けられました。「西出丸」は本丸の北西側に張り出した一帯のことです。櫓は明治時代に解体されましたが、平成15年(2003)に木造復元しました。平成28年(2016)の地震では、櫓下の石垣が大きく崩落して角石のみで櫓を支え、さらに東側に延びる石垣もほとんどが崩落しました。

戌亥櫓(いぬいやぐら)写真
強がりすぎて、大変な状況でもつらい、寂しいなんて言わない。それが肥後もっこすなんですかね。そんな血が私にも流れていると思います。

北十八間櫓(きたじゅうはちけんやぐら)国指定重要文化財

 北十八間櫓は高さ約20mの石垣の上に建つ、全長約40mの一階建ての櫓です。かぎ状に折れた形をしていて、南側は東十八間櫓と接続しています。江戸時代から数回の修復を経て受け継がれた重要文化財建造物です。平成28年(2016)の地震によって櫓と土台の石垣が崩落しました。倒壊した櫓の部材と崩落石材を回収し、修復に備えて整理・保管しています。

北十八間櫓(きたじゅうはちけんやぐら)国指定重要文化財写真

東十八間櫓(ひがしじゅうはちけんやぐら)国指定重要文化財

 東十八間櫓は高さ約20mの石垣の上に建つ長さ約34mの一階建ての櫓で、北側は北十八間櫓に接続しています。江戸時代から数回の修復を経て受け継がれた重要文化財建造物です。平成28年(2016)の地震によって櫓と土台の石垣が崩落し、神社建物を倒壊させました。回収した櫓部材と約1900個の崩落石材は、修復に備えて整理・保管しています。

東十八間櫓(ひがしじゅうはちけんやぐら)国指定重要文化財写真

長塀(ながべい)国指定重要文化財

 現在の坪井川に沿って建てられた全長242mの長い塀です。加藤時代には花畑屋敷と熊本城を往来するための橋と入口が長塀の中央付近にありましたが、細川時代にこの入口はふさがれ、現在のような一直線の長い塀になりました。平成28年(2016)の地震で東側の約80mが倒壊し、背後の石製控柱も多くが破損しました。長塀下の石垣は明治22年(1889)の地震では大きく崩壊しましたが、今回の地震ではほとんど変化がありません。

長塀(ながべい)国指定重要文化財写真
熊本に来て応援する、熊本に来てくださいと発信していく、その両方ができたら故郷も元気になっていくのかな。皆さんにも、ぜひ熊本にお越しいただきたいです。石川さゆり

石川さゆりプロフィール熊本県出身 1973年シングル「かくれんぼ」でデビュー。1977年「津軽海峡・冬景色」でレコード大賞歌唱賞を受賞したほか、数々の賞を受賞。「NHK紅白歌合戦」へも同年に初出場を果たす。以後「能登半島」「天城越え」「風の盆恋歌」「ウイスキーが、お好きでしょ」など、ヒット曲多数。
自身のリサイタルを中心に、歌と芝居を融合させた「歌芝居」を確立。各方面から賞賛を受け、「歌芝居〜飢餓海峡」では、第62回文化庁芸術祭大賞を受賞。その後も、ジャンルという垣根の無い音楽制作に取り組み発表した「X-CrossⅡ-」は、第56回日本レコード大賞優秀アルバム賞を受賞。
2017年8月、震災からの創造的復興を目指す熊本を応援するため、「熊本市復興元年特命大使」に就任。石川さゆりOfficial site  http://www.ishikawasayuri.com

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