趣味の一つとしても定着しつつある「御朱印巡り」。
熊本市でもさまざまな御朱印がもらえる神社・仏閣があります。
ご利益や特徴のある神社・仏閣を巡りながら、
御朱印集めを楽しんでみませんか。
御朱印とは、参拝した証としていただく印章・印影のこと。まずは御朱印をいただく作法を覚えましょう。
壱
御朱印帳は事前に準備しましょう。文房具店や書店などでも購入できますが、由緒や御祭神・御本尊に関する事柄や絵柄が記されているオリジナルの御朱印帳をそろえる神社やお寺もあります。
弐
御朱印は参拝の証なので、寺社の神仏に手を合わせてご挨拶したうえで、御朱印をいただくようにしましょう。
参
基本的に社務所と呼ばれる場所でいただくことができます。御朱印料が必要なときは、おつりが出ないよう用意しておくのがベター。御朱印帳は、書いてほしいページを開いて渡します。
肆
書いていただく間は、静かに待ちましょう。
書き手の不在などの場合、書置きの御朱印をいただけることもあるので、確認を。
熊本の礎を築いた加藤清正公を祀る
現在の熊本の礎を築いたと言われる戦国時代の武将・加藤清正公を主神とする加藤神社。1871年、現在の熊本城本丸と宇土櫓の間に「錦山神社」として建立され、その後1874年熊本市京町へ、1962年に現在の熊本市本丸に移りました。境内から熊本城の荘厳な姿を望むこともできるのも魅力です。
春に開催される『清正公まつり』では、前夜祭には境内でステージや夜店が出店、本祭では、街なかで神幸行列が行われます。
美しい日本庭園を望む、細川家ゆかりの神社
観光名所としても名高い「水前寺成趣園」内に建つ出水神社は、1878年、西南戦争で荒廃した熊本城下の復興を願って創建されました。熊本藩主であった細川家の歴代当主と細川忠興の妻、ガラシャが祀られ、学問や武道、また産業の神として親しまれています。
細川ガラシャをモチーフにしたオリジナルの御朱印帳や、ガラシャ像の切り絵を用いた御朱印が人気で、このほかイラストが描かれた月替わりの限定御朱印も登場。水と緑が織りなす美しい日本庭園を眺めながらの散策も楽しむことができ、季節ごとに訪れたくなるパワースポットです。
加藤清正公が歓請した神社
1588年、加藤清正公の入国にあたり勧請され、四百年の歴史があります。熊本市民からは、ご祭神の白髪大明神にちなみ、白髭(しらひげ)さんと親しまれています。
最大の祭りは、毎年2月の最初の午の日に開催される「初午大祭」で、この日に参拝することを「福詣り」と呼び、五穀豊穣・家内安全・商売繁盛などを願う多くの参拝者で賑わいます。
朱塗りの桜門や社殿が美しい熊本の総鎮守
藤崎八旛宮は935年に朱雀天皇が承平の乱平定を祈願され、京都の石清水八幡大神を国家鎮護の神として勧請されたことに由来する、熊本を代表する神社のひとつ。秋には「藤崎八旛宮例大祭」として勇壮な随兵行列や馬追いなども行われます。
藤崎八旛宮の御朱印帳は、旧熊本藩主細川家伝来の永青文庫から「飾り馬」や「随兵行列」の勇壮な絵巻を施したもので、今日に伝わる祭事の歴史を感じることができます。
学問の神様 菅原道真公を祀る
菊池一族の初代である菊池肥後守則隆公により1070年に創建され、学問の神様として知られる菅原道真公をお祀りしています。
熊本城の南側に位置し、江戸時代は武家の町であった山崎の氏神として、人々の崇敬を集めていました。現在は、試験合格や学業成就を願う学生や「イチハラヒロコ恋みくじ」を引きに来る人たちでも賑わっています。
阿蘇四社のひとつ、熊本市最古の神社
熊本市では最も古い神社で、昔は「たけみや」と言い、のちに「けんぐん」と読まれるようになりました。阿蘇四社のひとつで、電車通りの大鳥居から神社まで続く八丁馬場と呼ばれる1,230mの長い参道は、加藤清正公が寄進したもので、当時植えたと伝えられる杉並木の一部が残っています。
お味噌にご利益がある神社
「味噌にご利益がある」といわれる神様を祀る神社で、悪疫が流行した際、平癒を祈願して「御祖天神」を御祭神として祀ったのがはじまりとされています。国分寺で大量に腐ってしまった味噌を美味しい味に変えたという言い伝えから「味噌天神」と呼ばれるようになりました。
毎年10月25日には『味噌天神秋季例大祭』が開催され、この日参拝に訪れた人々には熊本特産の麦味噌が配布されます。
味噌天神は無人の神社で、地域の人々に管理されており、御朱印は責任総代の方からいただくことができます。常時開放されていますが、御朱印受け取りの際は事前確認をおすすめします。
清正公と共に、城下町に想いを馳せる
加藤清正公の菩提寺としても知られる本妙寺は、400年以上の歴史を持つ日蓮宗の寺院です。入口となる巨大な仁王門から石灯籠が並ぶ長い参道を抜け、急こう配の石段を上った先に中門があります。門をくぐると、清正公が眠る浄池廟(じょうちびょう)拝殿がありますが、この場所はちょうど熊本城の天守閣と同じ高さになっているのだそう。
御朱印の受付は浄池廟拝殿そばの寺務所です。本妙寺の御朱印は一面にびっしりと書かれた美しい文字が特徴で、お願いしてから少し時間を要します。待ち時間には、高台からのどかな景観を楽しんでみては。浄池廟からさらに300段の石段を上ると、加藤清正公の銅像が建つ広場があり、ここからの見晴らしも格別です。
天狗さまにあやかって開運祈願
航海の安全や豊漁祈願、五穀豊穣、商売繁昌などさまざまな開運のご利益があるとされ、地域の方から「別所のこんぴらさん」という愛称で親しまれてきた神社。古来より天狗さまの伝説が残っており、拝殿に掲げられた赤い大天狗と緑の鳥天狗さまが参拝者を温かく見守ってくれています。
巫女長が天狗を描いた色鮮やかな御朱印は、話題を集め全国からも依頼が殺到。ほかにも猫モチーフや季節の花をあしらったものなど、定番から月替わりまで豊かなバリエーションが揃うので、どれをお願いしようか迷ってしまうほど。待ち時間には石庭の縁側にこしかけて癒しのひと時を。
縁を結び、縁を繋ぐ
立田山東峰天拝山頂上に位置し、その名の通り「代を継ぐ」神社として、縁結びや安産、子授けなどの信仰が厚い由緒ある神社。鎮座1050年祭を記念して造られた庭園では、毎年5月4日に、平安時代の宮中行事を再現した神事「曲水の宴」が行われています。庭園内にある「天(あめ)の浮橋」は、渡る方向によって縁結び、悪縁切りを祈願できるとあり、女性を中心に人気を集めています。
御朱印は、季節によって桜や紅葉が描かれている書置きタイプ。十二単を纏うお姫さまがデザインされた雅な御朱印帳も素敵です。